中国の年越しの縁起物「ギョーザ」を食べに行く

昨夜、中国の年越しの縁起物である「ギョーザ」を食べに日本橋へ行った。

中国のギョーザといえば一般的にはゆでたものだ。

これを食べさせてくれる店がなかなか見つからず、「中国人観光客のメッカとなっている日本橋ならあるかも」と思って仕事帰りに寄ってみた。

やはりあった。

大通りに面した「隆盛園」という店で、看板に「中国料理」と書いてある。

日本人向けの「中華料理」ではなく、本場の料理だという自負が感じられた。

 

ギョーザはその形が昔の貨幣に似ているところから、中国では旧暦のおおみそか除夕」に食べる。

ただ、この習慣は主に中国北部のもので、私が10年ほど住んだ上海を中心とする中国中部ではその習慣のない家庭が多い。

 

店に入って早速、「水ぎょうざ」を注文する。

老板(経営者)に1人前はいくつか聞いたところ「8つだ」と言う。

ついでに中国北部を中心に飲まれている「白酒」という種類の蒸留酒を頼んだ。

これが昨夜の失態の大きな原因となる。

老板が厨房で水ぎょうざを作っているのを見たが、ギョーザは明らかに冷凍だった。

焼きギョーザや蒸しギョーザは手作りのようだったので、それだけ煮たギョーザを注文する人が少ないということだろう。

ギョーザやサービスで出してくれたピーナツを食べながら白酒を飲んでいるうちに、急速に酔いが回ってきた。

アルコール度数が50度を超える酒をストレートで飲んでいるのだから当然だ。

酔った勢いで「海老ギョウザ」も頼み、随分な出費になってしまった。

 

老板と少し話をした。

出身が山東省の煙台で、私は20年ほど前にその町へ行ったことがあり、話が弾んだ。

煙台は私が行ったころは高層ビルのほとんどない地味な田舎町だったが、当時と今では街の様相が大きく変わっているという。

年越しについて聞くと、「毎年、煙台に帰っているよ。ギョーザは年越しには欠かせない料理だ。中に1元硬貨を入れたギョーザを1つ作り、それに当たった人が次の年に福を授かるという風習もあるんだ」と話してくれた。

中国人客については、「ほとんど来ないね。この街に来るのは観光客ばかりだから。海外旅行をしてまで自国の料理を食べるやつはいないだろう」と笑った。

イメージ 1
私が注文した「水ぎょうざ」。冷凍で8580円はないが、そう目くじらを立てる話でもない。グラスに入っているのが「白酒」だ
イメージ 2
庶民的な白酒として北京を中心に飲まれている「二鍋頭」を注文した。アルコール度数は56度。これも1800円と中国での価格からするととんでもなく高い。気に入らないなら注文しなければいい、それだけのことだが
イメージ 3
老板が「中国ではこれを食べていたんだろう」とサービスで出してくれたピーナツ
イメージ 4
8個のギョーザとピーナツで腹が満たされるはずはなく、「海老ギョウザ」を追加で注文する。これは明らかに手作りだ
イメージ 5
「隆盛園」は大通りに面したこぢんまりとした店だ
イメージ 6
入り口の脇に「中国語OK」の張り紙がある。中国人観光客の多さを物語っている
イメージ 7
店内。私は手前の席に座った。店の一番奥に中国料理の店らしい丸テーブルがある