ギョーザで感じる日中の食習慣の違い

きのうの午後、神戸へ行く前に、ちょっとした用があってJR大阪環状線京橋駅で電車を降りた。
用はすぐに済んで、通りを歩いていたとき、「ぎょうざの満洲」を見かけた。
このチェーン店はFM802で昼時の時報の前にコマーシャルを流しており、「うまいタイミングで宣伝をするものだな」と思っていた。
ちょうど小腹もすいていたので、店に入って看板メニューであるギョーザ6個とごはん、スープ、漬物のセットを頼んだ。
さすがにギョーザの専門店だけあって、11つのギョーザが大きく、ジューシーでうまかった。
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ギョーザ、ごはん、スープ、漬物のセット。ギョーザの味がかなりいいので、税込み431円は安いといえる
 
私はギョーザが好きだ。
ただ、本当に好きなのは焼いたギョーザではなく、ゆでたギョーザだ。
私が10年余り住んでいた中国では、ギョーザといえばゆでたギョーザのことをいう。
焼いたギョーザを街の食堂で食べるのは難しい。
 
私が中国でギョーザに衝撃を受けたのは、初めて西安を訪ねたときだった。
日本人の友達と2人で古い街の庶民的な食堂に入り、ギョーザを注文した。
店員が何か言っていたが、よく聞き取れないので、適当に返事をした。
すると、出てきたのは皿に大盛りになったゆでギョーザだった。
たぶん30個以上あったと思う。
あとから考えると、店員はギョーザの量を聞き、「1斤(500グラム)か?」と言ったのだろう。
それに対していい加減な返事をしたものだから、思いもしない量のギョーザが目の前に運ばれたというわけだ。
友達と私は顔を見合わせ、どちらからともなく、「こんなの食べ切れるわけないだろう」と言った。
2人でせっせと食べたが、3分の1以上残した。
そして、隣の席を見ると、1人の男性が1斤のギョーザをひたすら食べていた。
 
日本へ帰ってから知ったのだが、中国でギョーザは「副食(おかず)」ではなく、「主食」だった。
だから、中国人の目には、日本人がよく食べるギョーザとごはん、ギョーザとラーメン、ギョーザとチャーハンというセットは奇異に映る。
日本でいえば、ごはんとトーストをいっしょに食べているようなものだ。
上海で中国人の友達と日本料理店に行き、私がチャーハン、友達がラーメンを注文し、2人で食べようとギョーザを頼んで友達に勧めたが、友達は食べようとはしなかった。
 
ゆでるか焼くか、主食か副食か、ささいな違いだともいえるし、対照的なほど大きな違いだともいえる。
とにかく、ギョーザ1つをとっても、日本と中国の食習慣には明らかな違いがある。