わが家の雑煮

わが家(実家)の元日は、初日の出を拝んだあと雑煮を食べるという恒例の流れになる。

日本の一般的な家庭と何ら変わることはない。

 

雑煮はよく考えると不思議な食べ物だ。

どこの家でも正月に食べるが、ほかの家でどんなものを食べているのかを知る機会はまったくといっていいほどない。

街の食堂やレストランで食べることもできない。

ということで、自分の家の雑煮がすべてになってしまう。

 

しかし、雑煮ほど日本各地で特色が異なる料理も珍しい。

東京で暮らしていたとき、大学の先輩が「東京の雑煮は角餅を焼いて、お椀に入れ、その上からすまし汁をかけて、餅がぱりぱりのうちに食べる。どろっとした餅なんか食えたもんじゃないよ」と言っていた。

かと思うと、岡山の南の香川県では、あん入りの餅を使い、白みそ仕立ての汁をかけて食べる。

話を聞くだけだと、「そんなもの食えるのか」と思うほど奇妙な料理だ。

それを奥さんが香川出身の人に話すと、「自分の部下にもそう言われ、その話を聞いた妻が『食べたらわかるわよ』と言ってごちそうした。数人の部下を家に招いて食べてもらったが、みんな『これイメージと違って、すごくおいしい』と驚いていたよ」と話してくれた。

それだけ、雑煮に対する思い入れがそれぞれの人にあり、雑煮がふるさとを強く感じさせる料理だということなんだろう。

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わが家の雑煮(といっても作っているのは、実家の敷地に家を建てた妹なのだが)の主役は丸餅。家で機械を使ってついた餅なので、見栄えはよくないが、味は保証付きだ
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餅は汁とは別の鍋で煮る。餅が浮いてくると食べごろになる。煮過ぎなのだろうが、柔らかい餅がわが家流だ
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汁はすまし。カキを入れるのが特徴だ。千切りにしたニンジンとダイコンもいっしょに煮る。ニンジンの赤、ダイコンの白で「紅白」の縁起物だ。この取り合わせの意味は、きょう妹に聞いて初めて知った
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出来上がったわが家の雑煮。かまぼことホウレンソウ、ハクサイをトッピングしている。昔は餅を6個も7個も食べたものだが、ダイエットの必要性から、きょうは3個にとどめた