度重なる幸運、そのからくりは…

きのうは隔週の土曜出勤の日だった。
通常は午後3時までの勤務なのだが、仕事が一段落したので昼で上がらせてもらうことにした。
さて午後の時間をどうしたものかと考えた。
あまりいい考えが浮かばず、とりあえずチン電を撮ろうと細井川駅へ向かった。
住吉大社のすぐ南にあるこの駅のいいところは別の機会に紹介したい。
なぜかというと、きのうは「えっ」と声を上げるような幸運があり、この駅をすぐに離れることになったからだ。
細井川の駅のすぐ脇で電車を待っていたところ、来たのが「166」の電車だったのだ。
この電車は以前紹介した「162」と同様に、今年90歳を迎えた「モ161形」と呼ばれる電車だ。
166を見て「この電車は終点の浜寺駅前まで行って引き返すはずだ。大和川の鉄橋で待とう」と思った。
そして、すぐに移動。
しばらく待って、大和川の鉄橋を渡る166をゲットできた。
その後、今池駅へ移動する。
夜、人に会う約束があり、それまでの時間つなぎのつもりだった。
それがまた幸運を呼ぶ。
今池駅までの道を歩いていると、踏切の警報が鳴り、見るとまた166が走っている。
「きょうはどうしたんだ。こんなに貸し切りが入るものか」と思いながらも、撮らない手はないと今船駅へ行く。
今池駅まで歩くと電車が行き過ぎてしまうかもしれないと踏んだ。
そこでも166をゲット。
気をよくして、今池駅の近くのいつものポイントで逆光の電車を狙う。
すると今度は「164」が走ってくる。
この電車も「モ161形」だ。
「どうなってるんだ。こんなことってあるのか」と驚きながらも、急いで今池駅へ移動する。
そこには3人の先客がいた。
164狙いですよね。きょうは161形が何度も走っていますよね」と話しかけた。
するとその中の1人が、「きょうは阪堺電車にちなんだ小説を記念するイベントが開かれているんですよ」と教えてくれた。
ネットで調べたところ、その小説は『阪堺電車177号の追憶』で作者は山本巧次さんという小説家だった。
その小説が今年「第6回大阪ほんま本大賞」を受賞し、きのう作者を招いて記念イベントが開かれたのだ。
道理で166であるはずの電車に「177」と書かれていたわけだ。
私が度重なる幸運だと思っていたのは、幸運でも何でもなく、イベントというからくりがあり、私がそれを知らなかっただけのことだった。
まあ、いずれにせよ普段はめったに撮れない電車をゲットできたことは事実で、幸運だったことにしよう。
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細井川駅の脇でゲットした「166」。車体に「177」と書かれている。小説で設定された電車がこのペイントだったため、記念の意味でそうしたのだろう
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大和川の鉄橋を渡る166。電車の前面に「(祝) 大阪ほんま本大賞受賞作 阪堺電車177号の追憶 山本巧次」のプレートが見える
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今船駅で撮った166
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今池駅で撮った164。日が暮れて撮影条件が厳しく、後ろ姿しかゲットできなかった。へたくそな自分を嘆く
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いつものポイントで待っていると164が走ってきてびっくりした