屋根より高い猫

屋根の上でうとうとする猫

おとといの朝、出勤の途中で西成の商店街の脇にある木造アパートの前を通った。

玄関の扉が開いていたので中をのぞいたが、姉妹の猫の姿はなかった。

この日の朝は天気がよく、「どこかの日陰で寝ているんだろう」と思い、地下鉄の駅へ急ごうとしたら、上の方で音がした。

見上げると、姉妹の猫の一匹が屋根の上を悠然と歩いていた。

「そんなところにいたのか。いい場所じゃないか」と、猫の動きを追ったところ、2階の窓の前で私を見て立ち止まり、やがてうとうとし始めた。

「屋根より高いこいのぼり」で始まる歌があるが、この日、木造アパートで見たのは「屋根より高い猫」だった。

猫はしばらくうとうとしたあと、軒の上の室外機に移り、舌をぺろっと出しながら、こちらをぎろっとにらんだ