きのうの朝、スーパー玉出へタイムサービスのすしを狙って行った帰りに、中村食堂の近くを通ったら、見慣れない猫がいた。
その猫は私が近づくと走り出し、路地に入ってやがて見えなくなった。
どこにいるのかと路地を歩きながら探したところ、廃屋の玄関の隙間から外の様子をうかがっているのが見えた。
西成には古い家が多く、住む人がいなくなって空き家になることも少なくない。
空き家は打ち捨てられ、やがて廃屋と化してしまう。
きのうの猫はそんな廃屋を根城にしているようで、打ち捨てられた家とはいえ、立派な一戸建てに住んでいるわけだ。
「おまえは廃屋の主(ぬし)なんだな」と思いながら、扉の隙間から中をのぞき込んだ。