季節の終わりとともに

きのう勤務先の駐輪場の通路にいたチョウ

きのうの昼前、勤務先のマンションの駐輪場を掃除したとき、通路に一羽のチョウがいるのが目に入った。

その黒と白の柄のチョウは、命が尽きる寸前のようで、通路の上で羽を開いたり閉じたりしていた。

そのままだと人や自転車に押しつぶされそうだったので、チョウをそっと持ち上げて、植え込みの木の葉の上に移してやった。

しかし、チョウは力なく地面に落ちて、そこからはい上がるようにして木に登った。

その姿は天寿を全うするために、最後の力を振り絞っているように見えた。

 

事務所に帰って、ネットでそのチョウを調べ、「ゴマダラチョウ」であることがわかった。

ゴマダラチョウが生息する時期は5月から9月ということだった。

今はすでに10月も半ばを過ぎている。

きのうのゴマダラチョウは、自分たちの季節の終わりとともにあの世へ飛び立ったのだと思った。

木に登ってじっとしていたゴマダラチョウ