きのうの仕事帰りに、いつものように松乃木大明神へ行った。
雨がぱらぱらと落ちていた。
境内に猫の姿はなく、鳥居のすぐそばにある家の軒下に白黒の猫がいた。
よく見ると、白黒の猫は材木の上で寝ていた。
その姿を見て、すぐに「臥薪嘗胆」という中国の故事成語の「臥薪」が頭に浮かんだ。
臥薪は「まきの上で寝る」という意味だ。
中国の春秋時代の呉王が越に敗れ、まきの上で寝る痛みでその屈辱を忘れないようにして雪辱を果たしたという故事に由来している。
白黒の猫が寝ていたのはまきではないが、材木の上も同じように寝るにはつらい場所だろう。
祠に上がれば、はるかに快適に眠れるはずだ。
白黒の猫にカメラを向けながら、「猫にも『臥薪嘗胆』という言葉があるのか。何の屈辱を晴らそうとしているんだ」と思った。