こんなところで日中友好?

西成の松乃木大明神の近くに立っていた石碑

1週間ほど前、仕事帰りに松乃木大明神に寄り、そこから帰ろうと路地を歩いていたとき、「何だこりゃ」というものを見つけた。

それは石碑だった。

路地の脇に立つ倉庫の敷地にある石碑で、コンクリートの基礎ができたときから、「何かよくわからない妙なものだな」と思っていた。

 

石碑に刻まれている文字を見て再び驚いた。

そこには「日中国交正常化五十周年記念」と書かれていた。

日本と中国の国交が回復したのが1972年で、今年が50周年であることは知っていた。

記念すべき年だが、今は日本と中国の関係がぎくしゃくしており、それらしい記念行事はほとんど聞いたことがなかった。

それなのに、西成の片隅にある路地の脇に石碑が建つとは…。

「こんなところで日中友好?」と思った。

 

しかし、考えてみると、この場所に石碑が建つのは、それほど奇異なことではないのかもしれない。

この界隈には中国人経営の「カラオケ居酒屋」がずらっと並び、さながら日本人向けの夜のチャイナタウンといった趣だ。

このあたりは、日本進出をはかる中国人の最前線の一つといっていい。

石碑を見ながら、西成と中国との深い関わりを感じた。

 

きのうの朝、通勤の途中でその石碑を撮影した。

石碑には「日中国交正常化五十周年記念」のほかに、大きく「和平」と刻まれている。右から左へ「平和」と読むとは考えにくいので、中国語で平和を意味する和平なのだろう

石碑の裏には中国に関わりのある団体や個人の名前が並んでいる

石碑が立つ路地。倉庫は少し前まで、利用されている気配がほとんどなかった。先月の終わりに通ったとき、倉庫の中に椅子が並んでいた。たぶん、中国の建国記念日である10月1日の「国慶節」に式典が開かれたのだろう