「おかず」がうまい中華の店

JR和歌山線の旅の途中で食事をした中華料理店

おとといのJR和歌山線の旅で下車した「名手駅」では、周辺の散策のほかに楽しみがあった。

それは駅の周辺の食堂で昼めしを食べることだった。

 

この日の朝めし用にと前日買ったパンを持参し忘れ、腹ペコの状態で歩き回ったので、昼めしへの思いはいっそう募った。

しかし、旧本陣のある駅の北側の街では食堂を見つけることができず、駅の近くまで戻ったとき、線路の南側にも街が続いていることがわかり、「めし、めし。どこかで食わせてくれよ」と思いながら歩いた。

駅に着いたときに抱いていた「地元の名物料理を」という思いはうせ、何でもいいから腹に入れたかった。

 

やがて幹線道路に出て、あたりを見回すと道路脇にある中華料理店の看板が目に入った。

その店に着いたのは、午前10時半ちょっと前。

のれんがかかっていない入り口を不安を感じながら入り、「やってますか」と聞くと、「いま開けようと思っていたところです。どうぞ」という答えが返ってきた。

「いや~、助かった」と、テーブルについた。

 

この店「ますや飯店」は明らかに中華の店だが、作り置きのおかずがガラスケースにずらっと並び、「これをつまみに酒を飲んでくれ」と言われているような気がした。

店を切り盛りしているのは、私より少し年配と思われるおばさんで、その女性が作った料理であることは明らかだった。

「ようし、腹ペコだけど、なにはともあれこのおかずで一杯だ」と酒とともにおかずを2品注文した。

これが驚くほどうまく、「ここはおかずがうまい中華の店だな」と感心した。

店内はいかにも地方の食堂というイメージで、懐かしさを感じた。時間がなかったので、おばさんとほとんど話ができなかったのが残念だった

まずは一杯と、「焼酎水割り」(税込み350円)を注文した。すきっ腹に入れた酒はかなり効いた

注文したおかずは、「焼きなす」と「いわしの煮付け」で、ともに税込み200円だった。おかずはメニューに載っておらず、正式な料理名はわからない。これをつまみにすると酒が進み、「きょうはここでしこたま飲んで終わりにするか」という気持ちを抑えるのに必死だった

締めは「チャーシュー麺」(税込み550円)。ラーメンが500円で、50円プラスするだけでチャーシュー麺になるなら頼まない手はないと思った。これも十分にうまかったが、おかずのうまさには及ばないと思った。次回があるとするなら、おかずをたくさん頼んでじっくり飲み、締めはごはんにおかずでいきたい