スマホ片手にぶらり旅 JR和歌山線その3

私は遠出をして写真を撮るとき、おすすめの撮影ポイントをネットで探さないようにしている。

地図を見ると、よさそうな場所は見当がつく。

今回のJR和歌山線の旅も、これまでの2カ所はそうやって調べて目的地とした。

 

しかし、何気なくネットの記事を見ていて、「ここははずせないな」と思った場所がある。

それは「真土トンネル」だ。

このトンネルは和歌山県奈良県の県境に近い隅田(すだ)駅の東にある。

和歌山線唯一のトンネルだったが、線路がつけ替えられて古い線路は廃線になり、トンネルも役目を終えている。

私が見たネットの記事からも5年余りが経過しており、「なくなっているかもしれないな」と思いながら、トンネルへの道をたどった。

 

真土トンネル探索の出発点は「隅田駅」だが、駅舎が新しくなって味も素っ気もなくなっている。

以前の駅舎は壁に絵が描かれていた。

地元の隅田中学校の美術部の生徒とOBの手によるものだという。

最初の写真は旧駅舎のホーム側の壁だ。

駅の北側の道を東に向かう。

道の脇の畑に小さなヒマワリの花が咲いていた。

道はこのあと行き止まりになり、駅の西から南側の道に回り込んだ。

実は北側の線路沿いに細い道があったのだが、家に通じる道にしか見えなかった。 

線路の南側の道を歩いていく。

脇の田んぼでは、稲穂がこうべを垂れている。

このあたりから雨が降り出した。

道の突き当たりにある踏切を渡り、線路の北側に行くと…。

昔の線路跡とおほしき道に入り…。

右に現在の線路の鉄橋が見えてくる。

そして、さらに進むと、真土トンネルが見えてきた。

トンネルがなくなっていても不思議じゃなかったのでほっとした。

トンネルは古びてはいたが、立派に形をとどめていた。

トンネルの天井には、苔がびっしりと生えているが、しっかりとアーチが残り、きれいに洗えば、すぐにでも現役に復帰できそうな気がした。