きのうの午後、勤務先のマンションの廊下を歩いていたら、アオスジアゲハが羽を広げているのが目に入った。
マンションの敷地には数多くの草や木があるので、さまざまな虫がやって来る。
アオスジアゲハはその中で姿が最も美しい虫だといっていい。
花から花へと飛び回る姿は優美そのものだ。
そんなアオスジアゲハが、廊下でじっとしていた。
死期が近いことは明らかだった。
すぐ近くにある草や木のそばではなく、人工物だらけのマンションの廊下で死を迎えようとしていた。
姿が美しいだけに、アオスジアゲハのそんな様子を見ていられなかった。
余計なお世話だったかもしれないが、そのアオスジアゲハをそっと手で持って、木のそばに移してやった。