トタンの前の「タント」

トタンの壁の前にいた猫

きのうの仕事帰り、西成まで戻ってから真っすぐ家に向かった。

いつものスーパー玉出にも寄らず、「一刻も早く寝よう」と思っていた。

あたりはかなり暗く、夜を迎えようとしていた。

 

家の近くの路地を足早に歩いていたとき、時々見かける猫がトタンの壁の前にいた。

何度か見た居場所だ。

トタンはあちこちにさびが浮いていて味わい深く、その前にいる猫も雰囲気があり、「路地裏らしい光景だな」と思った。

 

で、顔なじみになったといってもいい猫に名前を付けた。

「タント」だ。

「トタン」そのままじゃ変だし、逆さから読んで「ンタト」じゃ名前にならない。

そこでトタンの3文字を並べ替えてタントにしたというわけだ。

「タント、これからもよろしくな!」

私が三脚を立てて時間をかけて撮っていたので、タントは「付き合いきれないや」といった様子で眠り始めた