きょうの仕事帰りに西成の商店街まで戻ったとき、「スーパー玉出で買った晩めしじゃ味気ないな。どこかで一杯やりたいな」と思った。
西成の街はそんな心の隙を見逃してはくれない。
なじみのカラオケ居酒屋の前を通りかかったら、店の中から中国人のママが出てきて、「1杯だけ飲んでってよ」と言われた。
どうしようかためらっている客を誘う決まり文句だ。
私が「晩めし食ってからね」とはぐらかすと、ママは「私が作るから食べてって」とたたみかけ、店に入りたい気持ちがもともとあった私は逆らうことができなかった。
注文したのは「オムライス」だった。
ママおすすめの裏メニューで、これがなかなかの味で感心した。
「どこで作り方を勉強したの」と聞くと、「日本の家庭料理ならたいていのものが作れるわ」と言う。
日本人と結婚したことがない(と聞いている)のに、日本の味が作れるとは…。
晩めしを食べるために入った店の勘定が3000円を超えたのは、ご愛嬌ということにしておこう。