死期を悟ったバッタ

私の勤務先のマンションにいたバッタ

きのうの午後、勤務先のマンションの駐車場で掃除をしていたら、一匹のバッタがじっとしているのが目に入った。

そこは駐車場の地下で、じめじめした場所だった。

バッタはそこでほとんど動かなかった。

そのときは仕事が終わるまで1時間以上あり、「帰りにここへ来て、このバッタがいたら撮ろう」と思い、その場を離れた。

 

仕事が終わってから戻ると、バッタは同じ場所にいた。

その姿を見て、「このバッタは死期を悟り、ここを死に場所にしたんだな」と思った。

コンクリートと鉄だけの場所で最期を迎えるのは見るに忍びなく、草のある場所に移してやろうかとも考えたが、バッタの意思を尊重した。

「どこで死のうと立派な最期だ。お疲れさん」と思いながら、その姿を撮影した。

バッタは体勢を崩し、鉄板からずり落ちそうになりながらも、懸命にしがみついていた