おとといの土曜日の仕事帰りに、いつものように松乃木大明神へ行った。
薬師如来の祠に母猫がいた。
このところ母猫は祠に上がることがほとんどなく、「ほう、珍しいな。それじゃ撮らせてもらうか」と準備をしてカメラを構えた。
すると、どこからかキジトラの猫がやって来て、祠の隅に座った。
「同じ路地裏の猫同士だ。仲がよくてけっこう」と思いながら見ていると…。
祠の外を向いて眠っていた母猫が向きを変えたかと思うと、キジトラの猫を見つけ、喉を「ハァー」と鳴らして威嚇した。
キジトラの猫は動じず、母猫は「逃げるが勝ち」とばかりに祠から飛び降りた。
キジトラの猫はまんまと祠の前のポジションを得たわけだが、なんだか寂しそうで、祠の下にいる母猫に時々目をやっていた。
それを見た母猫は、下から喉を鳴らしていた。
猫のコミュニテイーでも仲間意識や力関係が絡み合っているのだろう。
祠を舞台に繰り広げられた人間模様ならぬ猫模様を見た思いがした。