きのう、出勤の途中で職場に近いマンションの敷地を通ったところ、顔なじみの黒猫が階段の下にいた。
顔なじみとはいっても、黒猫は私をそれなりに警戒している。
「おはよう。友達の茶トラはどこへ行った」と声を掛けながら近づくと、黒猫は慌てて階段を駆け上がり、途中に座って私を見下ろしていた。
私が近づかないので安心したのか、しばらくすると黒猫は外に顔を向け、目を丸くして何かを見つめていた。
私もそちらを見たが、警戒すべき何かがあるようには見えなかった。
「階段で目を丸くして何を見ているんだ。おまえの目には違うものが映っているのかもしれないな」と思いながらカメラを向けた。