幻の空き缶

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きのうの夜、こんなものを見た

きのうの夜、中村食堂を出たあと、路地をうろつきながら帰った。

そこで「こんなところにもこんなものが。不心得なやつがここにもいたのか」と少し腹が立った。

道路の真ん中に捨てられた空き缶を見つけたからだ。

 

いま勤めているマンションでは、敷地内や周辺の歩道の巡回も日常業務となっている。

歩道を巡回していると、捨てられた空き缶を毎日のように見つける。

そのたびに「日本の公衆道徳も地に落ちたな」と腹を立てながらそれを拾う。

 

しかし、きのうの夜の空き缶は少し様子が違った。

「ここは俺の持ち分じゃないが、拾わないわけにもいかないな」と近づくと、空き缶はなくなってしまった。

「あれっ、どうなってるんだ」と思いながら元の場所に戻ると、空き缶がまた出現した。

よく見ると、それは空き缶ではなく、明かりがマンホールに反射しているだけだった。

「幻の空き缶だな。これも職業病か?」と、不思議な体験をしたような感覚になった。