新型コロナウイルス感染拡大にともない大阪府に発出されていた緊急事態宣言がようやく解除された。
「それなら仕事帰りに、堺筋本町駅の地下で久しぶりに一杯やろう」と思い、途中下車した。
ところが…。
地下の飲食店街の店の多くがにぎわっていた。
一人で入るのをためらうほどで、空いている店を探しながら歩いた。
派手な外観の店の前を通り、四川料理の店だと確認してのぞいたところ、店内はがらがらだった。
「よし、ここだ。しかし、待てよ。この状態ってことは何かあるな」と思った。
それでも店に入り、注文を取りにきた女性店員に聞いた。
「酒は飲めますよね」
「アルコール度数0.5パーセントのお酒なら」
「それ酒って言わないですよね。困ったな」
「どうされます?」
「まあいいか。酒なしでやりますよ」
緊急事態宣言明けなのにと思ったが、混んだ店で一人飲みするのも気が進まなかった。
そして注文したのが、リピーター続出という激辛料理だった。
堺筋本町駅地下の飲食店街は、緊急事態宣言明けに週末が重なり、にぎわいを見せていた。
しかし、長きにわたった宣言が、この飲食店街にも大きな爪痕を残していた。