きのうの朝、西成の商店街を撮ったあと、スーパー玉出へ行く前に松乃木大明神に寄った。
子猫が境内の石碑の上に座っていた。
「おい、おまえは子猫じゃないか。生きていたのか」と思った。
10日ほど前、仕事帰りに松乃木大明神へ行ったとき、近くの倉庫の中から猫の鳴き声が聞こえた。
近くにいつもの猫が数匹いたが、2匹の子猫のうち1匹の姿が見えなかった。
その子猫が中にいると思われた。
倉庫はシャッターが下ろされ、そのシャッターには「猫に餌をやるな」などと書かれている。
この辺りの猫を快く思っていないのは明らかだった。
子猫が倉庫に入っているときに、閉じ込めようとして関係者がシャッターを下ろしたのではないかと思った。
子猫を助け出そうと、シャッターを上げようとしたが、鍵かかかっていてびくともしなかった。
勤務先のマンションから工具を持ち出し、シャッターを壊すことはできると思ったが、それは明らかな犯罪で、見つかればただでは済まない。
「ごめんな。俺じゃどうすることもできないよ」と言いながらその日は帰った。
それからは松乃木大明神へ行くのがつらくなった。
しばらくして行ったときには猫の声が聞こえず、「子猫は死んだんだろう。悲しい最期だったな」と思っていた。
しかし、子猫は生きていた。
倉庫の中にいたのは別の猫かもしれないし、どこかに猫が出入りできる隙間があるのかもしれない。
いずれにしても、子猫が生きていたことで、松乃木大明神へ向かう私の足取りもずいぶん軽くなる。