けさ早く目が覚めて、外を見たら厚そうな雲が広がっていた。
私の部屋から見えるのは西の空なので、「東の空は雲が薄く、いい感じの朝焼けが見られるのでは」と思って、高速道路の高架下へ行った。
なにせ天気予報が日の出の時刻あたりから晴れそうだといっていた。
しかし、現実はそう甘くはない。
東の空も厚い雲が広がっていて、朝焼けなど望むべくもなかった。
そんなとき、近くの駐車場をイタチが走った。
朝焼けをあきらめてそれを追いかけたが、イタチは車の下から走り去り、待てど暮らせど姿を見せなかった。
ふと空を見上げると、厚い雲が少し染まっていた。
あわててそちらにカメラを向けたら、帯状に染まった雲があべのハルカスの上部をかすめるように伸びた。
「まるで雲がたなびくようだな。いやあれはまさしく雲なんだよ」と、1人でボケとツッコミをやるような思いがした。
イタチを見なかったら、早々に引き揚げていただろう。
イタチが「もう少し待てばいいことあるかもよ」と教えてくれたような気がする。