きのうの仕事帰り、西成に着いたら辺りは暗くなっていた。
「夜の猫を追いかけるか」と、路地を歩き回った。
ふと目を上げると、「えっ、何だこれは」と思うようなものが目に入った。
それは家の2階にある扉だった。
その扉の外には階段はおろかはしごすらなく、家の中から扉を開けて外に出ると、道路まで真っ逆さまということになる。
「これは西成一危険な扉だな」と思った。
三脚を立てて写真を撮りながら、「なんでこんな造りになっているんだろう」と考えた。
階段を設置するスペースはなく、もともとあった階段が撤去された結果ではないようだ。
自転車で帰って来た近所の人に、「あそこの扉は、なんであんなふうになっているんですか」と聞いたところ、「よその家のことは知りません。それより何してるんですか」と強い語気で言われた。
考えてみると、階段のない2階の扉より、私の行動の方がよほど怪しい。
警察に通報されては一大事と早々に退散した。