「商売は飽きずにやらなきゃいけねえよ。商いっていうくらいだから」という一節が、ある落語の中にあるらしい。
「飽きないが大切なのは、商売だけじゃなく写真もそうだな」と痛感する出来事が、きょうの夕方にあった。
きょう仕事が終わってから空を見た。
雲がほとんどない快晴だった。
「きょうは夕焼けを狙えないな」と思い、ゆっくりと帰った。
西成に着いて、西の空を見たら雲が赤く染まりつつあった。
普段なら急いで帰るところだが、「ベランダからの夕焼けは飽きるほど撮った。きょうは見送ろう」と、猫と遊び、スーパー玉出で買い物をした。
店を出てしばらく歩いたところから見たら、空が見事に染まっていた。
もう開き直って、普通に歩いて帰り、ベランダに出た。
西の鉄塔の周辺が赤く染まっていた。
しかし、それは夕焼けのショーの幕が下りる寸前だった。
「まっすぐ帰っていれば、さぞかしいい写真が撮れただろう。飽きるほど撮ったとはいっても、まだまだだ。空に飽きずにやらなきゃいけねえよって言われているんだな」と思った。