あすから2連休で、土曜日に出勤するとまた休み。
気持ちにゆとりがあり、仕事が終わると、「さて、どうしようか」と空を見上げた。
西の空に雲がかかっていて、きのうと似たような状況に思えた。
「よし、きのうが通天閣なら、きょうは大阪城だ」と、大阪城公園へ行った。
そこで「達人」に出会った。
大阪城の外堀沿いで天守閣が望めるポイントは意外に少なく、きょうもそこへ行った。
すると1人のおじさんがカメラを構えていた。
私が「ここに三脚を立ててもいいですか」と聞くと、こちらをちらっと見て、「三脚? 好きにしたらええがな」と言う。
ぶっきらぼうな受け答えだ。
まあいいかとスタンバイすると、頼んでもいないのに、おじさんは自分の撮った写真を見せ、「毎日来んと、こんな写真は撮れんよ」「きょうはきれいには染まらんな。またあしたや」と、日の入りの時刻のかなり前に自転車に乗って行ってしまった。
「何を偉そうに。染まるか染まらないか、待ってみないとわからないじゃないか」と思いながらチャンスを待った。
しかし、日の入りの時刻を過ぎたころ辛うじて雲が赤くなったものの、おじさんが言ったようにきれいには染まらなかった。
毎日来ているだけのことはある。
私は達人の域には程遠いなと思った。