きょうの大阪はきのう見た天気予報とは大違いで、青空が広がった。
西成の街を歩きながら、「この街に青空は似合わないな」と思った。
そのときふと「飛田新地は営業を再開しているはずだが」と思い、ちょっと行ってみた。
時刻は午前10時すぎで、さすがに店はすべて閉まっていた。
そのままぶらぶら歩いていると、道路の脇に立つ石碑と石像が見えた。
その場所は飛田新地のはずれで、石碑は遊郭で働き、居住していた男女の慰霊碑、石像は身内にも見取られないまま亡くなった遊女を供養する「慈母観音」だった。
人の欲望が渦巻く遊郭だけに、悲しい物語は数え切れないほどあったのだろう。
石碑と石像は飛田新地の哀史を今に伝えていた。