「琥珀(こはく)色に輝くグラスを傾けて…」、1976(昭和51)年に布施明が歌ったサントリーウイスキーのCMソングだ。
酒の中で私が最も好きなのはウイスキーで、その原点はこの歌にあったのではないかと思っている。
そんな歌がすぐに頭に浮かぶ光景に出合った。
きょうの夕方、地下鉄の長田駅へ向かって歩いているとき、前を見ると高架道路の側壁が夕日を浴びて琥珀色に輝いていた。
車や電柱が邪魔にならない場所に移動したときには、琥珀色の部分がかなり小さくなっていたが、その分だけ空の赤さが増した。
思わぬ所で印象的な光景を目にすることができた。
CMソングは「どうして僕はここにいるのだろう」で終わる。
私は中国で暮らしているとき、時々この歌詞を口ずさみながら、「なぜ俺はこんなところにいるんだ」と考えていた。
きょうもなんとなくそんな思いがした。