思い出はモノクロームその6 斜めに延びる空き地の正体①

西成に通うようになって2年余りになる。

その間ずっと気になっていたことがある。

それはこのエリアに斜めに延びている空き地だ。

街は全体に東西南北に道が延びているのに、斜めの空き地は邪魔っ気で明らかに違和感がある。

 

その正体を最近になって知った。

中村食堂に行ったとき、時々見かける男性客が「あれは南海の天王寺支線の跡地ですよ」と教えてくれたのだ。

 

早速、調べてみた。

南海天王寺支線は南海本線天下茶屋駅から分岐し、天王寺駅まで続いていた。

駅は起点と終点を合わせて6つあった。

開業は1900年で、最終的に1993年に廃線になった。

「なるほど。100年近い歴史を持つ鉄道の路線だったんだな。それが健在なら、この街の風景も今とはかなり違っていただろう」と思った。

きょう、線路の跡地をたどってみた。

f:id:sanchan60:20210111123619j:plain

斜めの空き地の始まりはここ。「てんのじ村」の石碑のすぐそばだ

f:id:sanchan60:20210111123659j:plain

斜めの空き地は、阪神高速の下の空き地と絡み合っている。真ん中の道をはさんで、左が斜めの空き地、右が高架下の空き地だ

f:id:sanchan60:20210111123722j:plain

空き地の一部は公園として整備されているが…

f:id:sanchan60:20210111123745j:plain

大半は無用の長物となっている

f:id:sanchan60:20210111123807j:plain

フェンスの一部に「南海電気鉄道」のテープが張られていたので、いまも南海が所有する土地なのだろう

f:id:sanchan60:20210111123827j:plain

西成の商店街を斜めに横切る

f:id:sanchan60:20210111123850j:plain

私がよく行く「松乃木大明神」の脇にも斜めの空き地が通っている

f:id:sanchan60:20210111123922j:plain

南北に延びる幹線道路に接するところは高い鉄のフェンスで仕切られている。斜めの空き地はこの先も延々と続くが、そこをたどるのは次の機会に