私が管理人を務めているマンションは、緑の豊かさを売りにしており、敷地内に数え切れないほど多くの木が植えられている。
ということで、晩秋から初冬にかけては、落ち葉の掃除に追われることになる。
清掃員がいるので、掃除は私の主たる任務ではないが、この時期はかなりの時間を掃除に割かざるを得ない。
敷地内の掃除という意味では、これから最も厄介な木が葉を落としてくる。
木の名前はよくわからないが、鉄さびのような赤茶色が特徴の大きな木だ。
この木の落ち葉は砕けるように細かく分かれるので、ほうきで掃くにしても、火箸でつまみ上げるにしても、簡単にはきれいにならない。
大木を見上げながら、「君が丸裸になるまで、こっちは苦労が続くよ」と愚痴をこぼす毎日だ。
