きのうの昼ごろ、天王寺公園からの帰りに新世界の隅を通った。
そこに黒白の猫がいた。
腹が減っていたのか、「ニャーニャー」としきりに鳴いていた。
近づいても逃げないので、人に慣れていることがわかった。
そのうちに猫は「カラオケ花日(はなび)」というスナックのドアの前に座り、鳴き声を大きくした。
店の人に食べ物をもらっているのだろう。
店名にちなんで、私はこの猫を「花ちゃん」と呼ぶことにした。
夜の店なのでいくら鳴いても人は出て来ず、花ちゃんはつらそうにしていた。
ふと私の方を振り向いて小さな声で鳴いた花ちゃんは、「人に頼って生きるのは楽じゃないよ」と言っているように思えた。