きのうの昼休み、大阪駅前でちょっとした用を済ませ、シジミチョウを撮りにオフィスビルの緑地へ向かった。
その途中、北新地の中央部にある花壇の脇を通りかかったとき、上空から1羽のシジミチョウがひらひらと舞い降りてきた。
そのチョウは花壇の草や花の周りを飛び回って、一度だけ草の葉の上に止まり、私が写真を撮り終わると、舞い上がってどこかへ飛んで行ってしまった。
ふと近くの石碑を見ると、この場所は昔の「曽根崎川」の跡で、川は俗に「蜆川(しじみがわ)」と呼ばれていたという。
それを見て、はっとした。
「しじみ川に舞い降りたシジミチョウか。なんだかおとぎ話のようだな。そういえば、さっきのシジミチョウも幻のようだったな」
北新地のど真ん中で、しじみ川とシジミチョウの短い物語を見せてもらった。