味わい深い「さくら食堂」

きょうも中崎町の職場へ出勤した。

仕事は予想に反して午後3時の定時で終わり、時間に空きができた。

そぼ降る雨の中で行くところといえば西成しかなかった。

 

いつもの中村食堂は、先日、土用の丑の日に行ったので見送り、商店街を歩きながらよさそうな店を探した。

そして入ったのが「さくら食堂」だった。

いかにもといった食堂で、その少々うらぶれたたたずまいに引かれたのだが、これがなかなかどうして味わい深い店だった。

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「さくら食堂」。たばこ店を兼ねている。周辺には中国人経営のカラオケ居酒屋が軒を並べている

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ショーウインドー。こんな薄汚れたメニューでは客を引き付けることはできまいと思うが

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店内も昔ながらの食堂といった趣だ。先客として若い女性の2人組がいて、ビールの大瓶を手にして豪快に飲んでいた

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最初に頼んだのがこれ、「キリンレモンハイ」(税込み350円)だ。店の大将が「あっ、チューハイね」と言っていたので、キリンレモンは関係ないのかもしれない

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つまみは「卵焼き」(税込み250円)にした。酒のおともということで、少し塩辛い味付けだった。次回は「甘めにして」と言おう

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続いて「清酒」を飲んだ。メニューに「一級、特級」とあったが、大将が「一級しかないんやけど」と言うので、それにした。税込み300円は最も安い酒だ。出てきたのが「酒たんぽ」と呼ばれる酒をかんする金属の器で驚いた。私が子どものころ、父がこれに酒を入れてかんにし、母はいつも文句を言っていた

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昔ながらの食堂なら締めはこれだと思ったのが「カツ丼」(税込み500円)だ。これといった特徴はないが、平凡なうまさが妙に心に響いた

で、大将と少し話をした。

この店は父親である先代から引き継いでおり、かれこれ60年ほど営業しているという。

私が「最近は中国人が経営するカラオケ居酒屋通りになっちゃいましたね」と言うと、「そうやね。悪い商店街になったもんや。少し前までは普通の商店街やったんやけどね」と嘆いていた。

大将のそんな思いも含めていい店だなと思った。