ひょんなことから駅弁ならぬ「駅めし」

きょうの晩めしは阪堺電車今池駅で駅弁ならぬ「駅めし」にした。

無人今池駅で駅弁は売っていないし、食い物を買う売店もない。

「弁当」を持参して、駅で食べたというだけのことなのだが…。

弁当をひょんなことから入手し、ひょんなことから駅で食べることになった。

 

弁当はきょうの野菜の直売でお客さんから担当者に渡されたものだ。

「ここの野菜で料理を作るとこんなものができるのよ」と言いたかったのだろう。

その弁当がたらい回しにされ、私のところに回ってきた。

私が受け取らないと捨てられる恐れがあり、農家で生まれ育った私はそれだけは避けたかった。

 

そして、きょうの晩めしを食べる予定だった西成の中村食堂にタッチの差で入れなかった。

通常なら問題のない午後6時ごろ行ったのに、おばさんが赤ちょうちんとのれんを片付けているところだった。

「ごめんね。きょうはお客さんが少なくてね」と言われては仕方ない。

そのとき、私は弁当を手にぶら下げていた。

「せっかくもらった弁当だ。これをきょうの晩めしにしろということだな」と思い、食べられる場所を考えて、たどり着いたのが今池駅だったというわけだ。

 

話が長くなってしまったが、ひょんなことから食べた「駅めし」は心に残る味だった。

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今池駅のホームに椅子はない。ホームの端に腰かけて食べた。酒は昨夜と同じ「氷結レモン」にした

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これが弁当。おかずはサトイモ、タケノコ、ちくわを炊き合わたものだ。サトイモとタケノコは直売で買ったものだろう。おにぎりの米も直売の「キヌムスメ」かもしれない。「いい野菜を売ってくれてありがとう」という思いが伝わる味だった。商売の醍醐味はこんなところにあるのだろう

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弁当の袋を見たら、別のアルミホイルがあった。開けてみると「たくあん」だった。酒にたくあんは、きょう行けなかった中村食堂での私の定番じゃないか

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電車が来ると、飲んだくれのおやじから鉄ちゃんに変身する。夕暮れのチン電がなかなかよかった

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あたりが暗くなるまで粘ってチン電を撮った。夜の駅と電車も乙だ

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線路をわが物顔で歩いていた猫も私の遊び相手になってくれた