灯が消えた飛田新地

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全店休業中の飛田新地。日暮れの明るさが残っていて、すてきな風景に見える

きのう中村食堂に行くとき、会社の同僚から「飛田新地の料亭が新型コロナウイルスの影響で4月3日から全店休業になって、灯が消えたらしいですよ」という連絡が入った。

私には縁遠い場所になってしまったが、飛田新地はこれ以上ない「濃厚接触」の場であり、これまで通常の営業を続けてきたのが不思議なくらいだと思った。

「真っ暗な飛田新地を見られる機会もそう多くない」と思い、中村食堂からの帰りに寄ってみた。

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人っ子一人いない飛田新地。不気味ささえ漂う光景だ

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店の前に張り出してあった紙。「元気でまた会いましょう」の文言が泣かせる

ひっそりとした飛田新地を歩きながら、「店で働いていた女の子の生活はどうなるんだろう」と考えた。

店で何をしているかは明白だとしても、内情を大っぴらに言える商売ではない。

政府の休業補償の対象になるんだろうか。

近くにいたおじさんにそんな話をしたら、「あの子らは月50万も60万も稼いどったんや。心配いらんわ」と言われた。

世情が厳しくなると、しわ寄せはまず弱者に及ぶという。

人のことを心配している場合じゃない。

あすは我が身だ。