仁徳天皇陵で今を生きる命

私が大阪で暮らし始めたのは、今から2年10カ月前のことだった。

そのときから「一度は行かなくては」と思う場所があった。

それは日本最大の古墳「仁徳天皇陵」だ。

しかし、南海本線の電車の中から毎日のように見て、「近くまで行っても、小高い山のような森と堀が見えるだけだろう」と思い、行くのを先延ばしにしていた。

 

で、隔週の土曜出勤のきょう、初めて行ってみた。

そこで見たのは、いにしえの大王の墳墓で今を生きる命だった。

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仁徳天皇陵の南のヘリにある「拝所」。聖域を前にして拝む場所を拝所というらしい。ただ、3つある堀(周豪という)の最も外側を越えることができるだけだ

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最も外側の堀。通常の道路からもこの堀はよく見える

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堀でサギとカモが悠然と羽を休めていた。この堀が日本最大の古墳の一部であることなど、彼らのあずかり知るところではない

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1匹の猫が「私が仁徳天皇陵の門番だ」と言わんばかりに姿を現した。誰かが餌を与えているのか、人に対する警戒心がそれほど強くなかった

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拝所の近くに梅の花が咲いていた。古墳に春の訪れを告げている

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今を生きる命の最後は私だ。ここへ来る途中、激安で知られる「スーパー玉出」を見つけて寄った。そのとき、「仁徳さんと一献傾けたいな」と思った。さすがにここで一杯やるのは不遜なので、近くの公園に移動して飲んだ