屋根の上の猫

けさも西成へ猫を探しに行った。

足繁く西成へ行っているのは、クロの消息を知りたいからだ。

残念ながらクロの消息はきょうもつかめなかったが、別の猫の姿はちらほらとあった。

 

追いかけたのは白と黒のぶちの大柄な猫だった。

私が近づくと猫は慌てて民家の屋根に上がった。

「いいぞ、いいぞ、そんな場所にいる猫が撮りたかったんだ」とカメラを向けた。

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猫はまず門の屋根に上がった。瓦の向こうに隠れながらも、ちらっと顔を出して私を見ていた

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やがて家の屋根に移動した。「ここまでは来られないだろう」と安心して視線をそらしたかと思いきや、よく見ると横目で私を見ていた