きのう仕事帰りに西成へ行ったとき、おっちゃんから声を掛けられて写真を撮った。
それに時間を取られ、お目当ての中村食堂に着いたのは午後6時25分だった。
営業終了が6時半なので、初めて行ったときと同じように、おばさんに「ごめんなさいね」と言われるのを覚悟しながらのれんをくぐった。
この日はおっちゃんづいていたのか、店内では4人のおっちゃんが別々のテーブルに着いていて、それぞれに酒を飲み、めしを食っていた。
おばさんに「もう終わりかな」と聞くと、「簡単なものならいいわよ」と言われ、空いていた最後のテーブルに着いた。
「オムライスね。それと酒は何にしようかな」と注文し、冷蔵庫から缶酎ハイを自分で取り出して、コップに注いで飲み始めた。
私の後ろのテーブルにいたおっちゃんと話をした。
おっちゃんは「世の中の景況はよろしくないな」などと、少し高尚な話をし始めた。
なんのかんのと話をしていたとき、ふと「しまった。あれをおばさんに言い忘れた」と思った。
前回の帰り際に「鶏肉が嫌いなので、オムライスは厳しいな」とつぶやいたところ、おばさんが「じゃあ鶏肉の代わりに牛肉か豚肉にしてあげるわよ」と言ってくれていたのだ。
慌てておばさんに「もう鶏肉入れちゃった?」と尋ねた。
すると「入れたわよ。そうだ。鶏肉嫌いだったんだね」との答え。
時すでに遅し。
せっかく私だけの「特製オムライス」が食べられる機会だったのに、食べ損ねてしまった。
私の鶏肉嫌いは多分に精神的なもので、おばさんに「鶏肉を取り分けて食べてね」言われながらも、面倒なのでそのまま食べた。
昔ながらのオーソドックスなオムライスでうまかった。