猫は何でも知っている

先日、夜の西成の猫を追いかけたとき、高速道路の高架下で数匹の猫を見かけた。

なぜ多くの猫がいるのか気になって、けさ出勤前に行ってみた。

 

けさはどんよりとした曇り空で、高架下も寒々としていた。

そのせいか、着いたときは猫の姿をまったく見ることができなかった。

仕方なくあたりをうろつきながら猫を探していると、1匹また1匹とねぐらから出てきた。

たぶん、餌を与えている人がいて、その人が来たと勘違いしたのだろう。

私が餌を持っていないことはすぐにわかったはずだが、それでも猫は私との距離を保ちつつ、頻繁に場所を変えながら私を見ていた。

猫は私の魂胆を見抜いていて、適当に遊んでくれていたように思う。

「おっちゃん、写真が撮りたいんだろう。まあ、ゆっくりしていけや」と。

 

そのとき、私の頭の中に、作曲家の平尾昌晃がロカビリー歌手だったころに歌ってヒットした「星は何でも知っている」が浮かんだ。

歌詞を「猫は何でも知っている」に変えて。

そんな歌がぴったりくるような、けさの猫の振る舞いだった。

f:id:sanchan60:20191127204942j:plain

最初に出てきたのがこの猫。ねぐらは民家の納屋のようだ。猫の顔は私の方を向いていないが、流し目のようにして私を見ている

f:id:sanchan60:20191127205018j:plain

高架下の重しの間で眠そうにしながらも、私を見続けている

f:id:sanchan60:20191127205058j:plain

この猫のねぐらは高架の鉄骨の隙間のようだ。起きたばかりで眠そうな表情だなと思ったが

f:id:sanchan60:20191127205131j:plain

高架の途中に上がっても同じ表情だった。たぶん右目を痛めているのだろう

f:id:sanchan60:20191127205203j:plain

この猫はきょう出合った猫の中で体が最も大きいが、最も臆病だった。私が近づくとすぐに逃げてしまう

f:id:sanchan60:20191127205241j:plain

夜に行ったとき廃屋の入り口から顔を出していた猫。草を食べに出てきた。ネットで調べると、肉食の猫が草を食べる理由はわかっていないらしい

f:id:sanchan60:20191127205332j:plain

最初に出てきた猫も草むらに移動した。それでも視線を私からはずさなかった