先日、夜の西成の猫を追いかけたとき、高速道路の高架下で数匹の猫を見かけた。
なぜ多くの猫がいるのか気になって、けさ出勤前に行ってみた。
けさはどんよりとした曇り空で、高架下も寒々としていた。
そのせいか、着いたときは猫の姿をまったく見ることができなかった。
仕方なくあたりをうろつきながら猫を探していると、1匹また1匹とねぐらから出てきた。
たぶん、餌を与えている人がいて、その人が来たと勘違いしたのだろう。
私が餌を持っていないことはすぐにわかったはずだが、それでも猫は私との距離を保ちつつ、頻繁に場所を変えながら私を見ていた。
猫は私の魂胆を見抜いていて、適当に遊んでくれていたように思う。
「おっちゃん、写真が撮りたいんだろう。まあ、ゆっくりしていけや」と。
そのとき、私の頭の中に、作曲家の平尾昌晃がロカビリー歌手だったころに歌ってヒットした「星は何でも知っている」が浮かんだ。
歌詞を「猫は何でも知っている」に変えて。
そんな歌がぴったりくるような、けさの猫の振る舞いだった。