中村食堂

きのう、夜の西成で猫を追いかけていたとき、気になる店を見つけた。

その名は「中村食堂」。

今どき、「〇〇食堂」というシンプルな名前の店は珍しい。

おまけに店の外観も実にシンプルだ。

赤ちょうちんと申し訳程度ののれんが掛かっているだけで、どんな料理があっていくらなのか見当もつかない。

場所が場所だけに、中で得体の知れないおっちゃんが飲んだくれているかもしれないと思い、入るのをためらった。

しかし、「得体の知れないおっちゃんは望むところだ」と思い直し、猫を撮り終えてからのれんをくぐった。

店に入るとすぐにおばんさんが「ごめんなさいね、6時半で終わりなのよ」と言う。

そんなに早く閉まる食堂があるのかよと思いながらも、「じゃ、またあした来ます」と言って店を後にした。

 

ということで、きょう仕事が終わってから急いで行った。

店は飲み屋ではなく、まさに食堂という趣で、テーブルと椅子が素っ気なく並んでいる。

手に取って見られるメニューはなく、壁に料理と飲み物の値段が貼ってあるだけだ。

とにかく安い。

金曜日の夜なので、2000円まではOKと思って行ったが、ひとしきり飲んで食べても、その金額には達しなかった。

店のおばさんも気さくで、話が弾んだ。

次回は「オムライス」を食べる約束をして、店の営業終了と同時に引き揚げた。

f:id:sanchan60:20191122225459j:plain

中村食堂。周辺には住宅が立ち並び真っ暗なので、店の入り口と赤ちょうちんの明るさが目立つ

f:id:sanchan60:20191122225532j:plain

店内には5つのテーブル(右手前にもう1つある)が並んでいる

f:id:sanchan60:20191122225607j:plain

メニューは壁にぶっきらぼうに並んでいる。どれも驚くほど安いので、何にしようかと迷ってしまう

f:id:sanchan60:20191122225648j:plain

最初に頼んだのは「湯豆腐」だった。きょうはそれほど寒くなく、温かいものをとは思わなかったが、200円という値段に引かれた

f:id:sanchan60:20191122225810j:plain

一緒に日本酒(300円)を注文した。ダイエットの関係もあって、最近は日本酒をほとんど飲まないのだが、湯豆腐、そしてこの店にふさわしい酒はやはり日本酒だと思った。コップに入って出てくるのも、この店らしくていい

f:id:sanchan60:20191122225913j:plain

締めは「ラーメン」。200円という安さに驚き、おばさんに「失礼ですけど、インスタントですか」と聞いた。すると「はい、そうです」という答えが返ってきた。店でインスタントラーメンを出すのもどうかと思うが、それを食べたくなったのも事実だ。「このラーメンは何ですか」と聞いたところ、「それは内緒です。当ててください」と言われ、「明星チャルメラかな」と答えたら「はずれです」と言われた。で、会計は湯豆腐と日本酒3杯、ラーメンで締めて1300円だった