毎年12月初めになると、私が勤めている中崎町の印刷会社の真ん前にサンタクロースが登場する。
丸木を切ってその断面にサンタクロースの顔が描かれ、それが何十と並ぶさまは、ほのぼのとしていい雰囲気を醸し出す。
さて、シーズンオフのサンタクロースはどうしているかというと、ふるさとのフィンランドに帰っているわけではなく、近くの公共施設の庭の片隅で、静かに出番を待っている。
人前に出るときの華やかさと比べると、扱いはかなりぞんざいではあるが、じっと耐えてひのき舞台への準備をしているといったところだろう。
彼らの出番は日の入りが1年で最も早い時期だ。
暗く寒い道路の脇で、きらびやかにライトアップされたサンタクロースを見ると、心が温まる。
さあ、出番まであと1カ月ちょっとだ。