中国写真館その29 中国の高速鉄道「和諧号」

中国の高速鉄道の発展は目覚しい。

現在、最も速い列車に乗ると、北京から上海まで4時間18分で行けるという。

街の中心部まで行くとするなら、郊外の空港を利用する航空機よりずっと速い。

 

私が中国で暮らし始めた2005年には高速鉄道はなかった。

幹線で初めて高速鉄道が運営を始めたのは2007年4月で、当時は日本やフランスの新幹線型の列車が在来線を走っていた。

その列車は「和諧号」と呼ばれていた。

 

上海で暮らしていたころ、私は時々、日本の新幹線と同じ型の和諧号を見たくなり、上海駅の近くに行っていた。

上海駅は2010年7月に市の西部に上海虹橋駅が開業したことにより、ターミナル駅としての地位が大きく低下したが、当時は上海の鉄道の駅といえば、上海駅と上海南駅しかないといってもよかった。

在来線を走る高速列車も身近な感じがした。

「十年一昔」というが、そのころの話だ。

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上海駅を出る「和諧号」。日本の新幹線の700系と同じ型の列車だ(2008年1月25日撮影)

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上海駅の少し西に架かる跨線橋から見た和諧号。当時は車両の先頭部をつないだ編成の列車がよく走っていた(2008年2月5日撮影)

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上海でよく見かける昔ながらのアパートの前を走る和諧号。当時は北京五輪の前で、上海万博もにらんで、イメージアップのためのアパートの改装が各地で進んでいた(2008年1月14日撮影)

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上海駅の2キロほど西に古い街並みがあった。私がよく写真を撮りに行っていた場所だが、再開発による取り壊しが始まっていた。やがて、「臭い物にはふたをしろ」とばかりに、線路との間にフェンスが設置され、列車からは見えなくなった(2008年2月9日撮影)

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取り壊された家の窓の残骸から和諧号を見た(2008年2月9日撮影)