中国の高速鉄道の発展は目覚しい。
現在、最も速い列車に乗ると、北京から上海まで4時間18分で行けるという。
街の中心部まで行くとするなら、郊外の空港を利用する航空機よりずっと速い。
私が中国で暮らし始めた2005年には高速鉄道はなかった。
幹線で初めて高速鉄道が運営を始めたのは2007年4月で、当時は日本やフランスの新幹線型の列車が在来線を走っていた。
その列車は「和諧号」と呼ばれていた。
上海で暮らしていたころ、私は時々、日本の新幹線と同じ型の和諧号を見たくなり、上海駅の近くに行っていた。
上海駅は2010年7月に市の西部に上海虹橋駅が開業したことにより、ターミナル駅としての地位が大きく低下したが、当時は上海の鉄道の駅といえば、上海駅と上海南駅しかないといってもよかった。
在来線を走る高速列車も身近な感じがした。
「十年一昔」というが、そのころの話だ。